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Vol.29 今後の医療保険について

1999/05/01

今月の質問者:下川 健司さん(経営企画室)~ゴールデンウィークは市川の「こどもの国」で遊んできました。

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「今後の医療保険について」お伺いしたいと思います。

日本の医療保険の仕組は(私のイメ-ジですが)、
1.医療を提供する側(医者)
2.医療を受ける側(患者)
3.医療費を負担する側(患者・健保等)
の3つから構成されていると思います。

そして、現在の日本では国民皆保険が進み、国民の誰もが当然の様に医療保険の恩恵を受ける事ができます。しかし、現状は大きな問題を抱えております。その問題というのは、
1.高齢化による医療費増加。それに伴う、健保組合等の財政難
2.国民の負担額増加
3.高騰していく診療報酬
と、私は認識しております。

常に健康であれば問題は無いと思いますが、病気・怪我は不意に押し寄せてくる性質の物であります(日頃の生活正しくしていればそうとも言えないかもしれませんが・・)。その不意を付かれた時の為に「医療保険」が存在しているのだと私は考えています。しかし、現状を見ていると、将来ちゃんとした医療を受ける事ができるのだろうかという心配もあります。

最近では医療費に関して、医療費の高騰しやすい診療報酬制から医療費定額払制にシフトする動きも見られます。アメリカでは、既にこの考え方が導入され定着しており、医者による過剰診療の歯止めとなっている様です。逆に、医療の質の悪化という問題が生じている様ですが・・・。しかし、増大する医療費の抑制に関しては、この制度が効果的ではないかと考えています。そして、この制度の導入を引き金として、今までベールに包まれていた「医療」を透明に出来るかもしれません。

何でも全てアメリカを模倣するのは良くないと思いますが、効果的な方法の一つではないかと思います。名誉相談役はどう思われますか?

また、上記制度導入が本格化した場合(導入するしかないと思いますが)、医療コンサルというビジネスチャンスがあるのではと思います。経営コンサルに医療の知識が加わった時に可能となるビジネスと考えています。いかがでしょうか?


多田野名誉相談役:庭のツツジの花が今年は少ない。昨年たくさん咲いたから、エネルギーを消耗したのであろう。人間も同じ、疲れたら休息。

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大変専門的な内容なので困ってしまいましたが、私なりに考えていることをお答えします。

近年、政府首脳が変わりましたが、思ったより確実に各方面にわたって改革が進められており、あなたの質問もその改革の中に含まれていると思います。ご指摘のとおり現行の医療制度には多くの問題が山積していますが、次第に改革が進み、改善の方向に向かうものと私は楽観視しています。

現行医療制度の最大の課題は、高齢化にともなう高額医療費であります。その原因の一つに、老化、老衰に病名をつけて治療費と薬代に化けることです。二つには、徒に延命の為にのみ治療投薬を続けることにあります。安らかなより良い死を迎えさせることに、医者は少しも関与しないことです。更に、患者の方も老化老衰を病気と勘違いして、医者と薬で老化が防げると思い込んでいることにあります。三つ目として、医療保険は加入者から先払いされていて、医者への支払は出来高払いとなっており、医者の請求額が患者の病状に最適の治療投薬であるかどうかのチェックができない制度となっていることであります。その為、医療費の高騰を抑制する制度が導入されようとしていますが、逆に医療の質の後退が懸念される等、根本的な解決にはならないと思います。

しかし、現行制度から考えると、取りあえずの便法として導入に賛成です。単にアメリカでなくても世界の何処の国からでも、良い制度は進んで模倣すべきです。

また、医療ビジネスはこれから必要とされる分野です。これまで医療は経営的に考える必要がなかったのです。戦前はよほどの大病以外、医者に行くことなく殆ど自家療法で治したものです。その頃の医者も、医は仁術なりといってビジネスとは考えなかった。それが、戦後、国民健康保険制度が普及して安易に医療が受けられる為、私たちは無制限に治療と投薬を受け容れるようになったのです。医者も、加入者の病状が如何に軽かろうとも、必ず病名をつけて投薬してくれて、この程度ならほっといても治りますとは決して云いません。こうして、加入者も医者も共に歯止めがかからなくなっていることです。そこで、これらのことを含めて医療コンサルビジネスが必要とされる時機が到来したと言えます。

あなたは、老後の医療介護のことまで心配しておられるようですが、そんな先のことや個人の力の及ばぬことに心を用いずに、あなた自身がこの問題について、何かやれることが無いでしょうか。

私が現在、健康体を保持できているのも、若い時から自分の自然治癒力を増すことに努めた結果に他なりません。我が家には体温計すらありません。体温計で何度計っても熱は少しも下がりませんし、熱は身体を癒すために必要な反応であるから、強いて下げることはないと考えます。最近も、喉を痛めて声がでなくなり熱もあったようですが、とうとう医者に行かず市販の塗り薬だけで治しました。薬に依存すればするほど、自然治癒力を減退させるとともに、病原菌に対する免疫制を失わせ、虚弱な体質に変えてしまうからです。

医療というのは私たちにとって、あくまでも補助的なもので、自分の健康は自分で守り作り上げることを第一に考え、医者や薬に頼らなくてもよい、人間の自然治癒力を高めることを考えてはいかがでしょうか。

思い付くままに書いたので,意を尽くしていませんがお許し下さい。

航海日誌