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Vol.44 家庭人としてのあり方

2000/08/01

今月の質問者:津嶋 浩樹さん(購買部)~30歳を越え体力の衰えがなんとなくわかる年代になりました。何か体力作りをと考えています。3日坊主の自分にできるものがあれば紹介して頂けないかなと思っています。

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結婚生活を初めて、あっという間に2年が経過しました。自分自身この2年間を振り返ってみると独身時代とあまり変わっていないような気がします。

今後家庭人としてどうあるべきか考えるうえで名誉相談役が家庭人として必要と思われることがありましたらアドバイスをお願いします。

また、子育てエピソード、夫婦喧嘩の和解秘話などありましたら今後参考にしたいと思います。ご披露願えませんかお願い致します。


多田野名誉相談役:思いがけず高一の孫からEメールを貰った。遅まきながらパソコンを習っていてよかった。手紙だったら一生貰えなかっただろうに。

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私はこの欄で毎月社員からの質問に答えているが、私にとって良い勉強になっており、また頭の体操にもなって、毎回喜んで答えさせてもらっている。しかし、質問者にとっては、見当はずれの答えであったり、教訓めいた内容にうんざりされているかと思うが、年寄りの繰り言と思って聞き流してもらいたい。

あなたが結婚生活2年を経ても独身時代と変わらないでいられるのは、なんと羨ましいと言うか、或いは無責任で気楽な境遇と言おうか判断に苦しむのだが、おそらく結婚したからには、相手を幸せにしようとお互いに誓い合って今も変わっていないと思っている。しかし、長い年月生活を共にし、お互いに相手の裏も表も知り尽くしてくると、誰しも遠慮がなくなり我侭が出てきて、衝突が起こり勝ちとなるのは自然の成り行きであり、世に言う夫婦喧嘩と言うものだろう。

そこで、我慢しないで、しかも喧嘩にならない為にはどうすればよいかを考えてみようではないか。

夫婦喧嘩に限らず、あらゆる争いの原因は、双方が自分の正しさを主張し過ぎることにあり、相手を自分に従わせようとすることにある。だから、争いを未然に防止するには、まず、双方が相手の正しさを認め合い、その差異を確認し、その差を縮める方策を一緒になって考える建設的な意見交換の場にすることである。

夫婦の場合、互いには性格的に必ずしも合わないけれど、その人がいないと自分が幸せになれない、自分に必要な人間なんだ、例え喧嘩をしても相手がどうしても必要なんだし、相手の存在を絶対的に肯定しているのだから、すぐにもとの状態に戻るし一緒にやっていけるのだ。

その絶対的に肯定している存在とは、二人の間に運命共同体的関係が築かれている必要がある。即ち、相手の運命を自分の運命と同じように考えられるか、つまり自分の運命を相手に委ねてしまえるかということである。それは相手を信じる事によって可能となる。信じることから、自分が如何に傷つき失うものがあろうとも、それを許容できる心境が形成されるのである。即ち、信じるとは、相手に自分を任せる事、相手を許す事、自分を与える事にある。

最近、離婚が急増している原因の多くが性格の不一致となっているが、私に言わせれば、性格が違っているからうまくいくのであって、もし、性格が全く同じクローン人間のような相手と暮らすならば、化け物と一緒に住んでいるようで気味が悪いのではないかと思う。また、相手の性格を変えようと思うのがそもそも間違いであって、性格というのは生来のもので変わる事はないが、意識は変える事ができ、意識が変わったために相手の行動が変わり、それを見て性格が変わったように思うのだ。

大事な事は、相手を変えようと思うなという事である。それよりも、自分が変わる事によって期せずして相手が変わってくるから不思議である。自分の至らなさ、傲慢さ、狡さ、心の醜さに気付くと共に、それを少しでも良くするために、自らを変える事を始めたらどうだろうか。

航海日誌