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Vol.78 記憶に残る映画

2003/07/01

今月の質問者:宮谷 英生さん((株)タダノシステムズITビジネス部)~映画の事を見直す良い機会になったので、家族で久々に映画鑑賞に行こうと思います。

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最近の映画制作技術の進歩は、IT技術の進歩と共に日々新たな視覚効果を取り入れ、よりリアルに現実と空想の境目を感じさせられないような作品が、ここ数年次々に公開されています。

しかし、記憶に残った映画のタイトルは?という質問に対しては、なぜか、学生時代に見た映画のタイトルが思い浮かびます。

私は、小学校時代から両親に連れられて、よく映画(洋画)を見に行っていた事もあり、映画鑑賞が趣味となり、学生時代はよく映画を見に行っていました。当時は、2本立てや3本立てがあり、1日中、腰が痛くなるまで映画を見ていた事を思い出します。

最近は映画館へ足を運ぶ事も年に数回で、主にDVDを購入したり、レンタルを利用して映画を見る機会が多いので、大画面のスクリーンで見なくなった事も、影響しているとは思いますが、最近記憶に残る映画が、少なくなった気がします。

映画世代の大先輩でいらっしゃる最高顧問のご意見としてはいかがでしょうか。


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私の航海日誌を見て、おそらく、堅苦しい真面目一方の唐変木だろうと推量されているだろうが、半分は当たっている。酒もタバコもやらないし、ダンス、カラオケ、ゴルフができず、歌は軍歌しか歌えないからである。

映画もそれほど沢山観たわけではないが、あなたの意見に同感である。それについて、私の観た中で良かったと思うものを振り返ってみた。

そのほとんどが昔観たもので、その頃は娯楽といえば映画ぐらいだったし、純真だったせいもあって、たまたま観た洋画の虜になり、エキサイトして感動で涙することが多かった。その期間も、学生時代と戦後の15年間ぐらいだった。学生は校則で映画館、喫茶店は立ち入り禁止、教護連盟と名のる教師が見張っており、学帽と鞄を隠し持って走りこんだものである。そんなスリルがあったためか、余計映画に夢中になったのかもしれない。

半世紀以上経ってもその感動シーンを思い浮かべ、スターの名を忘れないでいられるのも、その映画からいかに強烈な印象を受けたかを物語っている。例えば、その頃のアクションスターのエロール・フリンとか、性格俳優のチャール・スロートンが活躍した、「戦艦バウンテイン号の叛乱」、「海賊ブラッド」、「宝島」、「ロビンフッドの冒険」等、海や帆船を舞台にした活劇を、手に汗して観入っていたものである。

戦後では、私の好きな男優の主演するものに集中しているようだ。まず、ゲーリー・クーパー主演の「モロッコ」、「武器よさらば」、「誰がために鐘は鳴る」、「真昼の決闘」等があり、スペンサー・トレイシーの「少年の町」、「老人と海」等である。好きな男優の一人にヘンリー・フオンダがいる。「12人の怒れる男」、「黄昏」や、ジャン・ギャバンの「ペペル・モコ」、「レ・ミゼラブル」、「外人部隊」も忘れることができない.。チャップリンの「モダンタイムス」、「街の灯」などの多くが強く印象に残っている。この五人のスターはいずれもハンサムとはいえないが、男らしく無口な渋い演出に思わず引きこまれてしまうのだった。イタリー映画で「苦い米」、「鉄道員」、「自転車泥棒」はいずれも再度観たいと思うものである。

最近レンタルビデオで再度観る事ができたものに、ピーター・オトールの「アラビアのロレンス」、アンソニー・クイーンの「道」、ウイリアム・ホールデンの「慕情」、ロバート・テーラーの「哀愁」、クラーク・ゲーブルの「風と共に去りぬ」、ロナルド・コールマンの「心の旅路」、キャサリン・ヘブパーンの「旅情」、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」、ジョセフ・コットンの「第三の男」等があるが、私がそれらに惹きつけられたのは、ストーリーが素晴らしかったことにもよるが、それにピッタリのキャラクターを持つスターがいたことによるといえる。

日本映画にもいいものがあったようだが、洋画に夢中になっていたので観そこなってしまった。先日、映画館にわざわざ足を運んだ甲斐があったのは、トム・ハンクス主演の「プライベート・ライアン」だった。彼の主演映画はまた観たい。

そんなわけで、自ずと好きなスターの出ているのを選ぶ、ファン気質にかぶれていたのかもしれない。あなたから映画世代の大先輩としての意見を問われたが、悔しいことに忘却のスピードが思ったより早く、満足な回答になっておらず誤りあるをご容赦乞う。しかし、あなたのお蔭でしばし懐旧の念に駆られ、回答を書きながら楽しいひとときを過ごせたことに感謝したい。最近は自由時間が増えたので、いい映画を観たいと思うが、他にやりたいことが一杯あって、なかなかその時間が生み出せないでいる。

航海日誌