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Vol.111 人間的魅力を高めるには

2007/07/02

いつも新しいことに挑戦し、笑顔が素敵な当社最高顧問。
"良い習慣が、自ずと良い人生を導いてくれる。"という信念のもと、今でも毎朝5時に目覚まし無しで起床、その後水泳で体を鍛えていらっしゃいます。こんな人間的魅力あふれる最高顧問に近づきたい為、今回は「人間的魅力を高めるには」というテーマで、ご教示いただきました。
人間の魅力を高める船出へと、早速人生の大海原に出発してみましょう。

photo03.jpg人間的魅力とはどういうことか、また、それを身に付けるにはどうすればいいのか。これは、私が長い間探求し続けてきたことであって、未だにその片鱗さえ身につけることができないでいることである。しかし、人間的魅力というのは、一概にこれこれの条件を備えておればよいというものではない。人はそれぞれ違った人生観や価値観を持っているから、人間を見る視点がおのおの異なっており、ある人が感じる人間的魅力も、他の人には少しも魅力と感じられないということもある。

私を虜にしてしまうような人間的魅力というのは、私の憧憬して止まない理想の人間像のことである。しかし、これまで多くの先哲や学者が、人間的魅力について述べているが、すべて教科書的な模範解答としか思えない。本当の魅力、人の心を惹きつける力は、言葉に表すのは不可能なことで、言葉にすると頭で考えた作り事となってしまう。魅力というのは感じることで、理性で判断することではない。生の人間に接して、その人が醸し出す何かに心を打たれ、私たちを夢中にさせるもの、それを魅力というのではないか。「素晴らしいなあ、ああいう人になりたいなあ」と思わせるような、オ-ラを感じさせるのである。

私を惹き付けて止まない理想の人間像を一言で言うならば、その人から、地位や学歴、財力や容姿などのすべてを取り除き、裸のままの人間であっても付いて行きたくなるような人をいう。警戒心を抱かないで何時でも側によっていける雰囲気を醸しだしている。自分の生き方、人生観、哲学を持っていて、何か人間的な深さが感じられる。寡黙ではあるが、信念を持って行動していることが動作や振舞いに現れ、じーんと心に染み透るような感動を覚えさせる。大変優れてはいるが、完璧ではない。意図しない人間的な隙がある、それがかえって魅力になっている人である。

では、そのような魅力ある人間になるためにはどうすればいいのか、何が必要なのか。私が常に自分に言い聞かせてきたことがある。人間的魅力を高めるには、優れた品性、人格を身に付けること(最近は品格ともいう)にある。そのためには、第一に哲学を持つことである。哲学と言うと何か堅苦しい学問のように思うが、私の言う哲学は、人生観、価値観を持つことである。すなわち、自分の生きる目的は何か、かけがえのない人生を何の為に費やすべきかを知ること。そして、人間にとって何が一番大切なことか、重要度の基準を持つことである。

しかも、それは知識としてではなく、揺るがない自信となっていなければならない。そのためには、まず「信ずるに足る自己」を創る必要がある。それには、納得できる体験から得た確信と、論理的な根拠を掴むことの二つが不可欠の条件となる。知識は論理的な確信を得る為に必要であると共に、実践への勇気を創り出してくれる。また、学問的な根拠を支えにした体験は強い。例えどんなことを言われても、びくともしない自信を持つことができる。体験に裏づけされた論理ほど、人を納得させる力を持つものはないからである。それは一度の体験よりも、度重なる実践の中から得たもの方がより確信できる根拠となり、揺るぎない信念となって残される。

そうした度重なる実践活動は期せずして習慣となって我が身に定着する。習慣というのは、意識せずに努力しないで続けられる実践活動である。したがって、その動作や振舞いにはありのままの生地が出ていて、人間の品格を現さずにはおかない。すなわち良い習慣は、人間の品格を醸成するとともに「信ずるに足る自己」を創り上げ、結果的に人間的魅力を高めることになるのではないか。

航海日誌