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Vol.25 「道」について

1999/01/01

今月の質問者:日笠 幸光さん(総務部安全衛生課)~「自分の可能性について、スパイラルアップした目標を掲げてチャレンジすること!」が今年の目標です。

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日本には古くから「○○道」と言うのがあります。例えば柔道、剣道、空手道、居合道、茶道、華道、書道から仏道まで、上げればまだまだあると思いますが、これは日本にしかないものでしょうか。

「道」とは、知識、技術、技能を超えて自分を高めるもの、礼儀、作法を通じて生き方を習得するものでしょうか。今一つ、ハッキリと理解できません。私たちに理解できる具体的な意味合いをご指導下さい。

豊臣秀吉は、茶道を愛好し、地位と権力を得たとき自分が見えなくなるため茶道を通じて「自分を見つめた」とか?名誉相談役の有名なお話しとして聞いています「一灯園での便所掃除」*も「道」でしょうか。

名誉相談役は、どの様な「道」をやられていますか。また、その「道」から何を得ていますか。ご指導下さい。

以上のことから、
1.「道」とは、日本にしかないものでしょうか。他国にもあるのでしょうか。
2.「道」の意味合いを教えて下さい。
3.名誉相談役が今やられている「○○道」は、何ですか。
4.その「○○道」を通じて、何を得たいと思われていますか。
以上、立ち入った質問ですみません。差し支えのない範囲でお答えください。

*「一灯園」:今から93年前、西田天香という方が懺悔、奉仕無一物中無尽蔵をモットーにして始められた修養団
のような所。そこで多田野名誉相談役は人生観をゆるぎないものにした。そこでの修行のひとつに「便所掃除」がある。


多田野名誉相談役:今まで一度も続いたことがなかったダイアリーだが、'98の始めに英文日誌にしてからなんと1年間続いた。自分を誉めてやりたい。今年もこの調子でいこう。

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大変立ちいった奥の深い質問を頂きましたが、私にとっても考えさせられる有り難い問題であります。満足のいく答えができないと思いますがお許しください。

あなたの言われるとおり日本には「○○道」と称するものが沢山ありますが、外国にも同じようなものがあるのではないですか。何故かと言えば、「道」というのは人間が生きていく上で、誰もが持っている究極の願いを、達成する為の手段であると思っています。その私たちの究極の願いというのは、私たちの心が常に充実していて、しかも安定し、悔いの無い、生き甲斐のある人生を送ることにあるのではないでしょうか。

「道」はその為に必要な手段だと私は考えています。富士山に登るという目的は一つであっても、登る道はいくつもあって、それを「○○道」と名付けているのと同じではないでしょうか。ですから、地球上、人間のいる所には必ず「道」が求められていると思うのです。例えば、「禅」の「道」は元々、中国から伝わったものですが、西洋にも「瞑想」、メデイテ-ションというのがあるのをみても、そう言えましょう。

また、「道」には何れも、心身の鍛練とか精神修養の意味が必ず含まれていますが、人々はいったい何の為に「道」を励んでいるのでしょうか。それは、私に言わせば、自分を生かすことにあると考えています。二度とない自分の人生を最大限に生かすことであります。その自分を生かすとは、他に役立つことによってのみ人は活かされるということです。したがって、「○○道」と言うのは、私たちが他に役立つのに必要な能力を養う為にあるのではないですか。

私のやってきた「一灯園の便所掃除」も「道」の一つですが、私にとっては、自分を見詰める又と無い良い機会となっています。他家の便所掃除をすることを通じて、自分が如何に傲慢な、心の貧しい人間であるかを思い知らされました。その感激が忘れられなくて、以来、毎年、高松市内の街頭に出て便所掃除をさせてもらっています。ですから、「○○道」と名はつきませんが、私はただ、毎日を真剣に、これ以上の生き方はないと言えるような一日を過ごすことであり、例え、明日死を迎える事になっても、驚いたり、悲しんだり、悔いたりしないような今日一日を過ごすことを心がけています。

具体的には30数年前から、毎朝5時乃至5時半にアラ-ム無しで起床します。もしそれが出来ない様なら、真剣に生きているとは言えないと心に決めています。続いて三キロ程ジョギングした後、庭のプールで泳ぎます。日曜祭日は勿論のこと、雨も風も怠ける口実にはなりません。最近、プールの水温は7度位で肌を刺すように冷たいですが、一日として欠がしたことはありません。それは「○○道」とは程遠いものですが、毎日、力いっぱい自分を活かしている証であり、大きな喜びであることは間違いありません。

航海日誌