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Vol.6 やさしくタバコがやめられる法

1997/06/01

多くの喫煙者のほとんどが、できればタバコをやめたいと思っている。タバコは、健康を損ね、周囲に迷惑をかけるから、というよりも、本音は、害があって益のないタバコを吸い続けている自分が、いやなのである。タバコをやめられなでいる自分の弱さを認めたくないのだ。

ゆえに、たえず喫煙を合理化しなければならなくなり、自分をごまかしていることに、自責の念がつきまとい、喫煙によって、半健康体を余儀なくされていることに、心の休まる時がない。又、そのことが、さらにストレスを作っていることに多くの人は気づいていない。しかし、このストレスはタバコ一服で難なく解消する。これを称してタバコ中毒という。だから、ほとんどの喫煙者は、何かきっかけがあれば、タバコをやめたいと心の底では望んでいるのだ。

さて、やさしくタバコがやめられるには、何故多くの人が、失敗するのかを知ることが、最も近道となる。失敗した人達の共通点を調べてみると、ほとんどの人が、不思議なくらい生涯の禁煙を誓う大決心をし、しかも周囲の人達に宣言している。そして、特筆大書して壁に張りつけ、自戒の一助としている。同時に喫煙具等を一切処分して身辺から、遠ざけ、あまつさえ禁煙中の不聊を慰める為に、代用品(ハッカパイプ・ガム等)を準備している。

かくして、一切の準備を完了し、禁煙は成功したかの如く思い込むが、どっこいそうは問屋が卸さない。完璧と思われる程の準備をしたはずなのに、その99%は、失敗に終わっている。そのわけは、決心が大であればある程、かえって失敗してはならぬという、目に見えぬ十字架を心に背負いこむこととなり、四六時中失敗の恐怖に気の休まる時がない。しかも、禁煙するという目的が、宣言した途端に、周囲との約束履行の手段に変えられ結果となる。また、禁煙と大書がある為に、折角忘れかけている煙草のイメージを憶いだし、寝た子を起こす結果となる。さらに、代用品の使用は、不聊を慰めるどころか、代用品の感触を通じて、タバコへの郷愁をかきたてずにおかないのである。

かくして、良かれと思って決行したこれらの方法は、むしろストレスを起こさせる元凶となり、そのストレスから開放される唯一の方法は、僅か一服のタバコで充分なのである。それでは、どんな方法が望ましいか一言で言うならば、できる限りストレスを起こさない方法を採ることである。たとえば、生涯禁煙など、大それたことを考えず、今日一日だけ吸わないでおきましょう、もしダメであっても、素直に自分の弱さ、不甲斐なさを認めて、また出直したらよいではないか。そして、誰にも言わずコッソリ始めよう。その方が、心に負担がかからない。そして、いつでもタバコが吸えるよう、常に携帯しておこう。吸いたくなったら、ポッケトのタバコに手をやり、いつでも吸えるんだが、今日一日は吸わないでおこう、と自分に言い聞かすだけでいい。

要は、タバコを忘れ、憶い出すことがなければ成功したと同じだから、忘れる工夫をしましょう。

"さあ、思い立ったが吉日で、今日から始めよう"

今日一日だけなら、どんな意志の弱い人でもやれるはず、明日が来れば、又、今日一日だけは吸わないでおこう。これで、やさしくタバコがやめられるのは間違いない。

航海日誌