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Vol.83 海外進出する人

2003/12/01

今月の質問者:黛 龍典さん((株)タダノエンジニアリングマニュアル部)~娘の幼稚園は秋になると毎週山登りがあります。最終日の今日は「特に急なので軍手を用意して欲しい」とのことです。いったい、どのあたりを登っているのでしょう?峰山?それとも紫雲山かな?

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年の阪神はすばらしかったですね。私もいつものことながら「最初のウチやろ」と傍観していたのですが、なんのなんの、日本一にはならなかったものの、久々のリーグ優勝で日本中を沸かせました。

あの阪神をここまで導いた星野監督の引退の潔さもさわやかでした。こういうタイプの人物は人を惹きつけてやみません。いろいろなところから続々と仕事が舞い込んでくるでしょう。

また、海外で活躍する日本人選手も最近は珍しくなくなりました。西武の松井選手もFA宣言してメジャーリーグに挑戦するそうです。こうした、優秀な才能を持った人材は、野球界に限らずどんどん海外を目指しています。会社も同じです。タダノは、今まさにグローバルな会社への脱皮をかけ、試練をうけています。

そこで最高顧問に質問です。優秀な人材がどんどん海外に出ていっていますが、このような傾向を最高顧問はどのようにお考えでしょうか?また、グローバルな人間になるためのポイントをご示唆いただけませんか。


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最近、優秀な人材が海外に進出していく傾向は、わが社にとって望ましいことであるばかりでなく、日本にとっても、また世界の国々にとっても歓迎すべきことだと思う。もし世界中の人が自由に交流できるようになるならば、こんな素晴らしいことはないからである。

しかし、なぜ日本から海外に人材が出ていくようになったのだろうか。最近のこうした事態を半世紀まえまでは、想像することさえ出来なかったのは、その背景に大きな時代の変化があったからである。

一つには、米ソ両陣営の冷戦の終結により、世界から戦争の危惧が消え去り、安心して平和産業に打ちこめるようになった。二つには、その為に貿易の自由化が促進され、世界がいわゆるボーダーレス、一つの市場と考えられるようになった。したがって先進国も後進国も、資源国も無資源国も相互補完の関係で結ばれるようになったことである。

21世紀は世界経済の「単一市場化」つまり、地球規模でのグローバル化が始まり、どの国においても徹底した市場開放政策を導入しなければ存続できないようになってきている。したがって、人、物、情報、資金が世界を自由に移動するのは必然である。つまり、世界の単一市場化は、「売り手」優先から「買い手」優先へ、「インフレ」から「デフレ」の定着の時代となり、それに向けて、人、物、情報、資金の移動がますます促進されることになったからだと思う。

その中でも日本は、敗戦の廃墟の中から立ち上がって、瞬く間に世界全体の経済活動の六分の1を一国で占めるという、驚異的な高成長を遂げ、今や日本国民は他のアジア諸国の人々とはかけ離れた高い生活水準と自由を得ることとなった。その基盤となっているのは、日本の技術力の強さである。日本の製品は、世界市場で低価格だからではなく、主として性能のよいこと、不良品が皆無という信頼性、納期を必ず守るという管理能力などによって、世界中から高い評価を得て、輸出を伸ばし続けているのである。20年前の円相場は240円だったのが、110円前後まで上昇したにもかかわらず、日本の輸出は増え続けてきたのは、日本の製品は円高の影響を受けても尚且つ輸出の増加を続けられるだけの競争力を持っているということである。

「物」だけでなく日本で有用な人材は、世界でも立派に通用することは言を待たない。そうした人材が、その高度の能力に相応しい場を世界中に求めて自由に移動することは、理にかなっている。そのようなグローバルな人間はどんな条件を備えているのだろうか。例えば、ニューヨークの街中であろうとアフリカの未開地であろうと、本領を発揮して立派に生きていける人間はどんな条件を備えていなければならないだろうか

先ず第一に具備すべき条件は、人間愛の保持者でなければならない。人種や民族、宗教や文化がどんなに違っていても、地球上のすべての人間は自分と同じように、目に見えぬ偉大な力によって、必要とされてこの世に生を受けた人として、接することができなければならない。

第二には、確とした人生の目的意識を待たねばならない。それがなくては、苦難や欠乏に耐える不撓不屈の意志が生まれないからである。

第三には、肉体的に健康であること。精神的にいかに優れていても、肉体的にひ弱であれば、本領を発揮することが出来ない。その為にも、日頃から逞しい身体つくりを心掛ける必要がある。

第四には、言うまでもなく、世界中のいずれの国ででも通用する、高度の知識と技術を身につけていなければならない。

以上が、グローバルな人間になるためのポイントだと考え、当社のすべての社員がこのポイントを実現し、世界中で活躍してくれる事を願っている。

航海日誌