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Vol.92 これが気になる

2004/09/03

今月の質問者:柴野 朋子さん(企画管理部総務グループ)~先週の台風16号を境に秋がぐっと近づいてきたように感じますが、食生活では「ざるうどん」「アイスコーヒー」「ビール」など、まだまだ夏から抜け出せません。

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会社の先輩と、最近「こちらが~になります」「~のほうをお持ちしました」「1万円からお預かりします」という言葉が、気になってしかたがないということが話題になりました。

コンビニエンスストアでアルバイトをする若い人たちに、接客用に覚えさせた言葉が(コンビニ言葉というそうです)全国的に広まったそうですが、意味を理解せず、使い方を間違っていても、語感がよければ若者たちに支持され、「新しい日本語だ」と肯定的に受け入れられるのですから、すごいとしかいいようがありません。

ある雑誌で「美しい姿や言葉や優しいしぐさは、その人自身を活き活きとさせるだけでなく、周囲の人々の心までも潤す力を持っている」というコラムを読みました。「人の心が言葉や服装、世間の事象に反映している」という意見には納得させられるものを感じました。個性尊重より先に、正しい言葉や、常識的な作法を知ることも、未熟な人間であるからこそ大事ではないかと思いました。

最高顧問は、「今の日本人のこれが気になる!」というようなことはございませんか。よろしくお願いいたします。


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最近私が一番気になることは、私たちに国を思う心、つまり愛国心がどれだけあるかということである。

私のいう愛国心とは、ナショナリズムや軍国主義のことではないし、また母国を愛することだけではない。自分の生まれた国を愛せずして、どうして他国を理解し尊重することができるだろうか。言いかえると、母国を愛せない人間は、人を愛せず、真に自分を愛していない人間だといえる。

私たちがこの世に受けた生命は、人知の及ばない宇宙の意志(人は神ともいう)によって与えられ、宇宙の意志を帯した魂が宿っている尊い存在である。この与えられた生命こそが「真の自己」であり、人間は愛すべき存在となりえるのである。自己を愛することは、宇宙の意志を体現することであり、生きとし生けるものはもとより、森羅万象を尊重し愛でることでもある。

肉体は、生命の容器として父母から与えられ、本能を具備し、理性をはぐくみ、自我を形成する。多くの人が肉体を愛することを、自分を愛することだと勘違いしているが、これは全く違う。自分を愛することは、肉体(自我欲、エゴともいう)を満たすことではない。

それでは、なぜ私が愛国心を必要と考えるか。日本は、世界第二の経済大国として、国民が等しく望んでいた物質的豊かさを手にすることができた。しかしその代償として、日本古来の精神文化を崩壊し、日本人であることの誇りを持つ人を少なくさせている。長い歴史の積み重ねと、伝統とともに培った日本人しか持っていない精神文化が、敗戦を契機にして失われてしまったことによる。

「日の丸」をかかげ、「君が代」を歌うことが、悪いことのように思う人たちもいる。また「愛国心」という言葉を聞いただけで拒否反応をしめす人たちもいる。しかし、これで"国民"の正常な姿といえるだろうか。平和主義はいいことなのだが、日本人であることの誇りが持てず、日本に生まれてありがたいと思う人がきわめて少ないのではないか。

日本という国が素晴らしい国であることは言うまでもない。第一に、2660余年にわたる万世一系の天皇をいただき、国家の象徴として崇められ、国民の精神的支柱となっている。そして日本は軍隊のない、世界でも珍しい国である。そのため、他国に比べ、非常に軽い負担で国を維持し得るのである。また、ほとんどの国が国民に徴兵の義務を課しているが、日本にはない。

しかもこの半世紀の間、周辺諸国で起きた武力紛争に巻き込まれることなく、誰一人戦死者がいない。軍事費の負担が少ないため、国の経済効果を著しく高めている。その結果、G.D.P.は世界最高水準を維持し、日本が世界一金持ちであることを示している。しかも、貧富の差が少なく、国民全てが中流意識を持っている。諸外国に比して、きわめて犯罪が少なく、安心して住める国であり、世界一の長寿国にもなっている。

このような素晴らしい国に生まれたことを感謝するとともに、私たちの生命に含まれている「真の自己」を尊重し、愛することを願ってやまない。そこから自ずと沸き起こってくるのが、私の言う愛国心である。「真の自己」を愛するからこそ、隣人や郷土、祖国を愛さずにいられなくなるのだ。

航海日誌