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Vol.32 レースの秘策

1999/08/01

今月の質問者:上田 武司さん(設計第2部)~通勤途中、自転車に乗って自分で作詞・作曲した歌を歌うのにこっています。そろそろアルバムでもだそうかな、と思っています。

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今日は名誉相談役に「レースの秘策」についてお伺いします。

私は、高校からヨットを始め9年間、どうしても勝ちたいという執念のために海から離れられず、今では趣味以上のものになってしまいました。そこで、質問です。

ヨット競技は、風を感じ、潮の流れを読み、自然をいかにして味方につけるかといった、さわやかなイメージがあると思います。しかし、実際はルールで敵を落とし入れ、相手との駆け引きに精神力をすり減らす過酷なスポーツではないでしょうか。

このスポーツで勝利を収めてきた名誉相談役は、いかなるトレーニングをこなし、どのようなレース展開を演じられてこられたのでしょうか。何か秘策があれば、伝授していただけないでしょうか。お願いします。


多田野名誉相談役:夏がくると忙しくなるが、芝刈りとプールの掃除に汗を流すのは楽しみでもある。心の汚れも同時にとれたようにスッキリする。

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結論から言いますと、ヨットに限らず如何なるスポーツにも、勝つ為の秘策などあるとは思いません。もしあるならば私が教えて欲しいくらいです。

私の勝つ為の条件として考えている事は、次の三つです。

1) 勝敗に拘るな。
相手が弱ければいつでも勝てます。それよりも、勝とう勝とうと思うほど、心身が硬直して冷静な判断や行動ができなくなり、折角磨き上げた実力の発揮を妨げることになります。
2) 日頃の練習に励んだか。
勝ちたい勝ちたいとどれ程闘争心を燃やそうとも、何の役にも立ちません。勝つためにどれほど、心身の鍛練と技術の練磨に時間と労力を割いたでしょうか。
3) 真の勝利は自分に克つ事。

相手に勝つ事よりももっと大事な事は、自分に勝つ事であります。自分の能力の限界に挑戦し、それを破ることがほんとの勝利です。ですから、レースは、自分の日頃の練習の成果を見極める為にあると言えます。

そして、レースの結果がどうあろうとも、自分の能力の限界を破る事が出来た時「よくやった」と自分を誉めてやりたいです。出来なかった時には、自分の未熟さを肝に銘じて今後の努力を誓わせます。

スポーツは特にフェアプレーが要求されます。奇策を用いて相手を陥れたり、駆け引きで相手の目を誤魔化して勝つても、ほんとに勝ったとは言えません。正々堂々と戦ってこそスポーツマンシップと言えるのではないでしょうか。

航海日誌