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Vol.10 空腹は最高のスパイス

1997/10/01

食欲の秋がやってきたというが、皆さんは毎日三度の食事を美味しく食べられていますか。

最近の消費生活は極度に高度化していて、マーケットには豊富な食材が氾濫して、美味美食を追い求めている私たちの味覚を誘わずにはおかない。ともすれば、私たちは知らぬ間にそれらの味覚の虜となり、偏った食事内容が次第に身体に悪影響を及ぼしていることに気づかないでいる。

美味美食は私たちの習慣病をつくる元凶だといっても言い過ぎではない。むしろ素食こそ健康の源泉なのである。しかし、美味美食に慣らされた私たちに、どうしたら素食が美味しく食べられるだろうか。
その第一の条件は、空腹であることに尽きる。

私の青年時代、戦時中、戦闘機の整備兵として最前線のラバウル基地に赴任したときのことである。初日に出された、黒ごまを振りかけたような虫の混じった麦飯は、見るだけで何としても箸がつけられなかった。二日目、空腹にたまりかね、眼をつむって一口食べてみた。何とその美味しかったこと。先刻見向きもしなかったその虫入り混ぜ飯をみるみる平らげてしまったのである。忽ち、虫は貴重な蛋白源となり、だしの素となった。

それ以来私は、どんな素食でも美味しく感じられ、いつも感謝していただいている。素食が美味しく感じられないのは、空腹でない証拠、空腹でないのは、頭や身体を存分に働かせていない証拠だと常に自分に言い聞かせている。

航海日誌