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Vol.58 宝くじに当たる秘訣は ~秋の夜長、何しよう。

2001/10/01

今月の質問者:米谷 学さん(サービス部)~もうすぐ1歳になる息子の成長が楽しみな今日この頃です。

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毎回、夢を求めてジャンボと名の付く宝くじを買っているのですが当たったためしがありません。今回のサマージャンボも夢と散りました。

名誉相談役は宝くじを購入されたことはありますか?

また、宝くじにまつわるエピソード及び当たる秘訣等あればお聞かせ下さい。


こうすればいいと百も承知だが、実行できないでいる。実行を妨げている一番手に負えないのは自分本人だ。(多田野 弘)

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宝くじが毎年売り出されていることは承知しているが、その内容は詳しく知らないし、興味もないので調べた事もない。だから、一度も買ったこともないし、買おうと思ったこともない。宝くじのどこがいいのか教えて欲しいぐらいである。

あなたはそのジャンボと名のつく、当たれば高額の宝くじだが、当たった例しがないという。それなのに、いまだに宝くじの魅力に引きずられているようだ。(違っていたらゴメン)

あなたが振り返ってみて、これまで空くじでみすみす損はしているが、今度当たれば一挙に損を取り返して余りあるのだから、次回にも買うべきではないか等と思案しているに違いないと思う。

そこで私は、あなたに聞きたい。何故そんな棚ボタ式の当てにならないことに貴重なお金を使うのか、どれほどの投資額かは知らないが、余程、余裕があるからだろうと勘ぐりたくなるのである。たとえ、あなたが宝くじの魅力を教えてくれても、私に有り余るほどの金銭的余裕があっても、宝くじを買う気持になれない訳は、ただ一つ。安易に得たお金は、必ずわが身を滅ぼす源となり、額に汗して得たものだけしか身につかないということである。また、額に汗の結果得たのではあるが、それは決して獲得したのではなく、私たちの働きが社会的に評価され、その価値に応じて社会から与えられたと私は考えている。

アメリカにも宝くじに類したのがあるが、これまで、億のつく賞金を得た当選者の何年か後の追跡調査の記事が新聞に載っていたが、当選者の大半が、親類縁者、友人などから賞金目当てに付き纏われ、戦々恐々としながら見る間に賞金を使い果たし、孤独な生涯を送っていると述べている。

デンマークの哲人キルケゴールも言っている。「飼い馴らされた野鴨になるな」と。彼の住む近くの湖に、毎年、野鴨の群れが飛んでくる。村人がパンくずを与え始めたので、数羽の鴨がその餌に群がるようになった。湖面が凍るようになると、野鴨の群れは飛び去っていったが、パンくずに甘えて自ら餌を取ろうとしなかった鴨は、太り丸んで飛べなくなっていた。村人のくれるパンくずで生きるしかなかった。人間も同様に、安易に得たものはその何倍も失う源になると教えてくれている。

しかし、だからといって宝くじを買うのは全て愚かだとは思わない。僅かの投資であっても、もし当たったら何に使おうか、百万円当たったら何と何に使おうか、もし五百万円だったら是非これとこれにしようなどと、誰でも夢が膨らんでくる。たとえ空くじであっても、買ってから発表までの間の楽しい夢が持てるのだから、そんな夢を買えるとすれば安いと言える。楽しい夢を見せてくれたと思えるならば宝くじは買いだ。

最後に言っておきたい。私が宝くじに当たる秘訣をもし知っていても、以上の理由で教える訳にはいかないだろう。あなたの期待していた答えになっていないのは寛容願いたい。

航海日誌